! Attention  今回、記号や顔文字を使用しています。苦手な方はご注意下さい。

 

 

 

 

 


風呂から上がると携帯が光っていた。メールか、それとも着信か。
片手で適当に髪を拭きながら、オレは携帯を開いた。
光っていた原因はメールのようだ。普段通りボタンを押してメールを開き、差出人を見る。

だった。




Data 11/23 2:16
From
Subject
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(・ω・)





    -END-
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題名はなし、本文は顔文字オンリー。
オレにどうしろというのか、このメールの送り主は。

は真面目というか堅いというか几帳面というか。兎に角あまりふざけたりするタイプの人間ではないので、夜中にメールだとか電話だとか、そういった事は余程緊急でない限り無い。

初めて顔文字が送られてきたときはかなり驚いたが、は意外と使用するので、顔文字にはもうすっかり慣れた。(ちなみにその一番最初のメールは記念に保存してあったりする。)しかし、それらのメールの内容は至って真面目で、それ以前に直接会って言う事が多いのでメールの頻度なんてたかが知れている。

こんな意味のないメールは初めてだ。

これがスクアーロだとか、フランのメールだったら絶対ガン無視するだろうな、(尤も、フランはいいとして、スクアーロのような人間が可愛らしい顔文字なんて使ってきた時には自分は笑い死にをするだろう)等と考えながら、返信を早急に打ち、送信ボタンを押した。





Data 11/23 2:38
To
Subject 何
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どうしたの?




    -END-
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送信確認画面がディスプレイに表示される前に携帯を閉じ、ベッドへ放り投げる。
メールが送られてきた時間から少し時間が経っているので、ひょっとするともうは寝ているかもしれない。
頭の片隅でそんな様な事を考えながら、物の散乱した、とても綺麗とは言えないベッドに身を預けた。

少しうとうとし始めた時に、携帯が鳴った。
返信はもう来ないかもしれないと考えていたから、ああまだ起きてたんだな。なんて。
若干の眠気を帯びた目を擦りながら、先程と同じくメールを開く。



Data 11/23 2:40
From
Subject Re2:何
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(´・ω・`)



    -END-
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また顔文字だけのメール。しかも今度は何だかしょげている。
こちらの横向きの顔文字に対して、日本の顔文字はバリエーション豊かで可愛いな。本当にそう思う。

思考が脱線したが、とりあえずがこんなメールを送ってくるのには何か意味があるんだろう。オレは身体を起こして送信ボタンを押すとの部屋へと向かった。




Data 11/23 2:41
To
Subject Re2:Re2:何
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今行く




    -END-
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*





の部屋の窓を開ける。ノックなんてしない、だってオレ王子だもん。
どうせ寝室にいるだろうと思って、窓から入るルートにして正解。案の定はベッドの淵に座っていた。
よく、窓から入ってくるオレには「窓から入ってくるの好きなの?」と聞いたことがある。別に好きとか嫌いとか、考えたことはなかった。
只、一番初めに窓から入ってきた時に、が驚いていたのがで面白いと思ったのは事実だ。
残念ながら、もう何度かやっているうちに慣れた様で、最近は驚かなくなった。今度は天井からでも入ってみようか。

 はオレに気づくと、隣に座るように促した。
素直に隣に座った直後、また携帯が鳴った。誰だよ。


……じゃん。




Data 11/23 2:46
From
Subject Re2:Re2:Re2:何
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来てくれた(ノ)・ω・(ヾ)




    -END-
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それを見てから、一瞬に視線をやると、は携帯画面から視線を外す気はないようだった。
オレも同じように画面の文字を見て、言う。


「来たよ」


……はカチカチ音を立て、また何かを打ちはじめる。




Data 11/23 2:48
From
Subject Re2:Re2:Re2:Re
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ありがと(ノ)・ω・(ヾ)




    -END-
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「ししっ、どういたしまして」


可愛くてつい笑った。
そして顔文字と同じように頬を触るを想像して、また笑った。

こつん、がオレの肩に頭を乗せたから、オレも首を傾けての頭に自分の頭を寄せる。
はまた携帯を弄っていて、次のメールに早くも少し期待。




Data 11/23 2:49
From
Subject Re2:Re2:Re2:Re
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何笑ってるの(・н・´)





    -END-
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今度はちょっと怒っているんだろうか。
このメールを打っている本人はいつも通りの無表情。温度差が面白い。


「ナイショ」


オレがそう言えば視線を感じて、目を向けるとは如何にも、どうして?≠ニ言いたげな表情で此方を見ていた。


「そんなことよりさぁ、お前こそどーしたんだよ」

「こーゆーの初めてだし? 何かあったの」

「あるならトクベツに聞いてやってもいいけど?」


一気に喋ってから一息つく。はじっとオレの話を聞いていた。と、思ったら再びからメール。





Data 11/23 2:52
From
Subject Re2:Re2:Re2:Re
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本当にいいの?





    -END-
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あ、顔文字なくなった。


「いいよ」


は何か考えている風、……いや、考えているというより、まだ自分の思っている事を口に出すのを遠慮している様な、そんな感じ。

暫くまごついたが、やがては静かに息を吸って、携帯をいじり始める。すぐ来るだろうからと思い携帯を開くと、本当に直ぐにメールが入った。




Data 11/23 2:55
From
Subject Re2:Re2:Re2:Re
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一緒に寝てくれる?





    -END-
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あぁ、何だ、そんな事。
それを言うだけのためにしては回りくどすぎる気がしたが、不思議と嫌な気分にはならない。
それどころか、勝手に口角が上がる。


「ししっ、そんなの何時でもしてやるっつーの!」


わしゃわしゃと両手での髪を混ぜるように撫でたら、は若干迷惑そうに笑う。

あぁ、オレやっぱりコイツの事好きだな。


入った布団はひやりと冷たくて、ぴったりとくっついて寝る良い口実になる。(そんなのなくてもくっつくけど)
布団が温まってきた頃、どちらともなく触れるだけのキスをしてそっと目を閉じた。





You gotta mail !
(ベル、何してるの?)(んー、ナイショ)

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*111126

ベルちゃん2つ目。
記号を使ったものを書いてみたかったの。

 

 

 

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